医療保険ガイド 医療保険の選び方

持病があっても入れる引受基準緩和型・無選択型保険とは?メリット・デメリット・注意点をおさえよう

最終更新日:2020/05/27

「持病があると保険に入れないのでは?」と考える方も多いのではないでしょうか。持病がある方でも加入できる医療保険、緩和型医療保険や無選択・無告知型保険があります。ただし、緩和型医療保険や無選択・無告知型保険には保険料が割高だったり、一定期間は保障が限定されるなどのデメリットも存在します。持病があっても加入できる医療保険について解説していきます。

持病がある人は保険に入れるの?

持病を持っている方には「これからの医療費がどれくらいかかるか、不安……。でも、自分が加入できる医療保険はあるのだろうか」と思っている方もいるでしょう。
実際に医療保険を契約しようとしても加入を断られた経験がある方も少なくないはずです。

持病がある方でも加入できる医療保険は複数あります。
また、医療保険に加入せずとも病気や怪我での入院や手術について備える方法はあります。
持病がある方がどのように病気や怪我に備えるかを考えていきましょう。

持病がある人が保険を選ぶ時に確認すべきポイント

まず、持病を持っている方が医療保険を考えるまえにいくつか確認したいことがあります。
医療保険への加入を今すぐ検討するのではなく、「医療保険に加入する目的の確認」と「保険以外の方法で保障をカバーできないか」です。それぞれ見ていきましょう。

加入の目的を確認する

医療保険は病気や怪我で入院したときに、その入院費用や治療費を保障してくれるものです。
基本的には、保険というのは払い込んだ総保険料に対して支払われる保険金の期待値はマイナスになります。
中には貯蓄性が高く、解約返戻金や満期返戻金によって払い込んだ保険料以上に多くのお金が返ってくる保険もありますが、そもそもは万が一の「病気や怪我に備える」ものです。

医療保険に加入することで、どのような事態に備えたいのかははっきり確認しておきましょう。
「加入しておかないと不安だから」という理由では、やみくもに保険料を支払うことになり、かえって家計を圧迫してしまう結果になるかもしれません。

公的医療制度でカバーできないか確認する

持病を持っている方が医療保険に加入する場合には保険料が高くなるケースが多いです。
民間の医療保険に加入する前に、まず公的な医療保険での保障を確認しましょう。
サラリーマンが加入している健康保険組合には、一か月の医療費が一定の限度額を超えると医療費の自己負担を抑える高額医療費制度や一定額の医療費を払い戻してくれる付加給付などがあります。

数か月間に渡って働くことができなくなっても、その間の生活費をまかなえるくらいに十分に貯蓄がある方はそもそも医療保険に加入せずとも貯蓄で乗り切ることができるでしょう。
病気や怪我で入院したり手術して、働けなくなったりした際に生活していける費用がまかなえていれば無理をして保険に加入する必要もないでしょう。

持病がある人が保険への加入を検討する際のポイント

持病がある方が保険に入る際には大きく3つのステップがあります。

持病がある人が保険への加入を検討する際のポイント
持病がある人が保険への加入を検討する際のポイント

まず、「通常の医療保険を検討する」、続いて、「引受基準緩和型保険・限定告知型の医療保険を検討する」、さらに、「無告知型保険・無選択型保険の医療保険を検討する」です。
それぞれのステップについて見ていきましょう。

まず、通常の保険への加入を検討しましょう

持病があり、通常の保険に加入できるか不安な方でもまずは通常の医療保険に加入を検討しましょう。
持病があるからといって必ずしも保険に加入できないわけではありません。病歴によってはきちんと治療を受けていれば加入ができるケースがあります。

「特定疾病・特定部位不担保」といって持病に関連した疾病や特定の体の部位に関する保障を加入後数年間、保障の対象から外すことで加入できるケースもあります。
一定期間の一部の保障は受けられませんが、その期間を過ぎれば通常の医療保険と同じ保障が受けられます。

その際には持病の程度や治療の状況など詳細な情報を細かく説明しましょう。
例えば、単に持病を「高血圧」と告知するのではなく、治療開始前の血圧値と現在治療中の血圧値や、服用している薬について、腎疾患や眼疾患、動脈硬化などの合併症の有無などを告知すると加入しやすくなります。
その際には医師の診断書や検査の結果も合わせて告知することが大切です。

ただし、通常の医療保険に加入できてもその分保険料を割増で支払う必要性があったり、実際に必要としている保障とは異なる場合もあるでしょう。
通常の医療保険に加入できても多少契約条件が悪くなることは認識しておきましょう。

引受基準緩和型保険・限定告知型の医療保険を検討する

通常の医療保険に加入できなかった場合に検討したいのが引受基準緩和型保険への加入です。
引受基準緩和型保険は一般的な医療保険に比べて、保険会社に告知をする項目が少ないのが特徴です。
また、持病が悪化したり過去に罹ったことのある病気が再発した場合でも保障が受けられます。引受基準緩和型保険についてくわしく見ていきましょう。

引受基準緩和型保険のメリット

引受基準緩和型保険のメリットは「持病の悪化・再発も保証されること」と、「告知項目がシンプルで答えやすい」ことにあります。それぞれのメリットについて解説します。

持病の悪化・再発も保障される

一般的な医療保険は持病があると加入できないケースがありますが、引受基準緩和型保険は告知項目が少ないので一般的な医療保険の加入に断られた方でも加入しやすくなっており、持病が悪化したり、過去に罹っていた病気が再発した場合でも保障が受けられます。

ただし、原則的には保障が受けられますが、一部状況によっては例外があるので加入時に保険会社の契約条件についてはしっかり確認しましょう。

告知の項目がはい、いいえで答えるだけ

引受基準緩和型保険は告知の項目がシンプルで「はい」か「いいえ」のみで答えるだけです。
「過去2年以内に病気や怪我で入院したり、手術を受けた経験があるか」「過去5年以内にがんで入院したり手術を受けた経験があるか」「現在、がんの治療を受けているか」「過去3か月以内に医師の診察や検査により入院や手術を勧められたことがあるか」などの質問にすべて「いいえ」と答えた場合に加入できます。
シンプルな告知項目で加入の判断ができるのは契約をする方にとってもわかりやすくてよいでしょう。 

引受基準緩和型保険のデメリット・注意点

引受基準緩和型保険は持病がある方でも加入できる一方で、「保険料が割高」「保障が限定される」「特約が限られる」などのデメリットがあります。それぞれのデメリットを見ていきましょう。

保険料が割高

引受基準緩和型保険の保険料は一般的な医療保険に比べて1.5倍〜2倍程度となっており、健康な方と比べて入院や手術を受ける可能性が高いので少々割高な保険料が設定されています。
支払う保険料が家計を圧迫しないかしっかりと確認しておきましょう。

最初の1年間は保障が半分である

引受基準緩和型保険は、保険の責任開始日から一定期間は保障の内容が限定されてしまいます。
多くの引受基準緩和型保険は契約から1年以内に保険の支払事由に該当した場合、支払われる保険料は半額の50%になります。仮に持病とは関係のない理由で病気や怪我になっても給付額は半額です。

保険に加入後、すぐ治療が必要になったり、再発した場合には保険会社は保険金を支払う必要があり、保険の相互扶助の考え方が成り立ちにくくなります。
そのリスクを軽減させるために、引受基準緩和型保険では当初の1年間の保障を半額に設定しているのです。

加入できる特約が限られている

加入できる特約の数も少ないのも引受基準緩和型保険のデメリットとして挙げられます。
一般的な医療保険では先進医療特約や死亡・高度障害になったときの特約、がんや心筋梗塞、脳梗塞になったときの三大疾病特約などさまざまな特約に加入できますが、引受基準緩和型保険で加入できるのは先進医療特約程度となっています。
昨今、三大疾病になったときに保険料の支払いを免除する「三大疾病保険料支払い免除特約」がありますが、ほとんどの引受基準緩和型保険にはその特約をつけることができません。

引受基準緩和型保険ではがんに関する特約もない場合が多いです。
がんについて備えたいと思っていて、持病ががんのリスクと関係性が薄い場合には引受基準緩和型保険ではなくがん保険を検討したほうが保障もしっかり受けられて保険料も割安になる可能性があります。この点はデメリットとして覚えておきましょう。

引受基準緩和型保険が向いている人

引受基準緩和型保険が向いているのは、主に3つの方です。
貯蓄に余裕がなく健康保険組合の高額医療費制度があっても今後の医療費が心配な方。一般的な医療保険に加入できなかったので、医療保険に加入できなかった方。割高な保険料を支払う余裕がある方です。

引受基準緩和型保険の保険料は一般的な医療保険の保険料よりも割高です。割高な保険料を支払える余裕が家計にあった上で、今後の医療費が不安という方に向いています。

無選択型保険・無告知型保険への加入

引受基準緩和型保険に加入できなかった場合、検討したいのは「無選択型保険・無告知型保険」です。
保険に入る場合には、保険会社に自身の職業や健康状態などの告知が必要ですが、その告知が一切必要のない保険です。無選択型保険・無告知型保険について見ていきましょう。

無選択型保険・無告知型保険のメリット

無選択型保険・無告知型保険のメリットは「告知が一切いらないこと」、「持病以外の病気や怪我は保障されること」の2つです。それぞれ見ていきましょう。

加入時に告知が一切いらない

無選択型保険・無告知型の保険は通常保険に加入する際に必要な告知が一切必要ありません。
一般的な保険や引受基準緩和型保険でも聞かれる「過去2年間の入院通院歴」や「過去5年間のがん治療歴」などを告知しなくても加入できます。
どんな方でも加入できるのが大きなメリットでしょう。

持病以外の病気・怪我は保障される

無選択型保険・無告知型保険は、持病以外の病気や怪我について保障を受けられる点もメリットです。
持病を抱えているなかで、更に別の病気や怪我に備えたいものの、貯蓄が心もとないという方には持病以外の病気や怪我に備えることができます。
ただし、それまでの持病に関しては保障がなされないので注意が必要です。

無選択型保険・無告知型保険のデメリット

無選択型保険・無告知型保険には「保険料が割高」「加入後の一定期間は保障が受けられない」「持病の悪化や再発は保険の対象外」というデメリットもあります。
それぞれのデメリットについて見ていきましょう。

保険料が非常に割高

無選択型保険・無告知型の保険は保険料が割高です。
一般的な医療保険の場合、35歳男性で入院1日5000円程度の保障を受ける場合で終身払いだと保険料は月額2500円ほどですが、無選択型保険・無告知型の場合には、40代以下は5000円弱、40代以降は5000円となり、65歳以降は1万円超えの保険料になります。

保険料が割高かつ、更新を迎えるごとに年齢も上がり保険料も上がっていくので、実際に支払う保険料と受けられる保障をしっかり天秤にかけて費用対効果を考えたほうがいいでしょう。

加入後の一定期間、保障が受けられない

無選択型保険・無告知型の保険は加入後の一定期間は保障が受けられないとされています。
加入後の90日間など一定期間に病気や怪我になっても保障の対象外になっています。
一定期間は保障を受けられないのでこの点もしっかりデメリットとして認識しておきましょう。

持病の悪化、再発は対象外

持病がありつつも「保険を検討したい」と考える方の多くは持病の悪化による医療費の負担が怖いということではないでしょうか。
無選択型保険・無告知型保険は、持病がある方でも加入はできますが、持病の悪化や過去の病気の再発による病気や怪我は対象外になっています。
病気の悪化や再発のリスクが高く、保険会社もその保障を引き受けられないのです。
持病の悪化に対する保障を受けられる保険はなく、根本的に不安を解消できないのはデメリットです。

無選択型保険・無告知型保険が向いている人

無選択型保険・無告知型保険が向いているのは割高な保険料を加味しながらも保険に入る事で安心を得たい方です。どうしても保険に加入して安心を得たいという方にはよいでしょう。

ただし、健康保険組合には高額医療費制度があり、医療費の自己負担分は一定額に抑えられるため、一般的なサラリーマンであれば、1か月の医療費の自己負担分は8万円程度となっています。
高額医療費制度を利用すれば自身の医療費の自己負担は一定額に抑えることができるので、まずは病気や怪我になったときに高額医療費制度でどの程度まかなえるか。そして、不安な分を医療保険を検討するという形で順を追って考えていきましょう。

まとめ

持病がある方でも条件をつければ一般的な医療保険に加入できたり、引受基準緩和型保険や無選択型保険・無告知型医療保険など加入できる医療保険はあります。

一方で無理に医療保険に加入をしなくても、医療費は健康保険の高額医療費制度や付加給付で自己負担分は抑えられているのでまかなえる場合も多いです。
自身の貯蓄の状況と家計の状況、そして健康状態を確認しながら、自身にあった医療保険を選びましょう。

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