入っておいたほうがいい?就業不能保険の3つのメリットと選び方

最終更新日:2021/09/09

万が一病気や怪我で働けない就業不能な状態になってしまったとき、給与のように保険金として保障を得られる保険に就業不能保険があります。就業不能保険はなぜ必要なのか。どのようなメリットやデメリットがあるのか。就業不能保険を選ぶポイントや就業不能保険が向いている方について解説していきます。

就業不能保険とは?

「就業不能保険」とは所定の就業不能状態に陥った際、毎月一定額を給与のように受け取ることのできる民間の保険です。つまり、病気やケガで働けなくなってしまった時に毎月の給与代わりに入ってくるため、働けない状態でも非常に安心です。ただし「所定の就業不能状態」に当てはまらないケースもあり、必ずしも受け取ることができるとは限らないため注意が必要です。以下で詳しく解説します。

どんな保険?必要なの?

就業不能保険は就業不能状態になったタイミングから回復するまで、または保険の満了期間(60~65歳)まで毎月一定額が継続して支払われます。入院費や治療費などは公的保険でも保障されます。しかし、たとえ一命を取り留めてもその後の療養期間はほとんどの場合に保障がありません。長期にわたる療養でまったく就業できないと、その間の生活を支える収入源が失われてしまいます。そして、自分のみならず家族の生活や将来をも脅かす恐れがあると考えてみれば、いかに保険が重要な役割を担っているかは明白です。そのため、就業不能保険は近年急速に注目を集め、保険会社各社から多数の商品が続々とリリースされています。

どんな人におススメ?

誰にでも必要性のある内容なのは先述の通りですが、特に以下の方に必要ではないでしょうか。

・自営業やフリーランス、個人事業主

自らが働いたお金で生活しているため、働けなくなればもちろん収入は無くなります。また、加入している保険が国民健康保険のため、会社員が加入している社会保険などと違い傷病手当金などの公的保障を受け取ることができず、就業不能状態をカバーする手だてがありません。

・貯蓄が十分にない方

ある程度の貯金があれば無収入の期間でも貯蓄を切り崩して生活できますが、生活費以外に医療費も必要となると、かなり深刻な状況になりやすいかと思います。

・マイカーローンや住宅ローンを返済中の人

最低限の生活費以外に、月々まとまった額のローンを返済している場合、働いておらず毎月の収入が無ければ非常に大きな負担でしょう。金利も発生するため一刻も早く返したいところですが、収入減によって月々の返済が滞り、最悪の場合返済不能状態に陥ってしまいます。

このようなリスクがある方々は、万が一の状態になるまでに就業不能保険への加入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

就業不能保険のメリットは?

生活の窮地を救うとてもありがたい就業不能保険ですが、メリットだけではなく、注意しなければならないデメリットもいくつかあります。その両面を説明します。

生活費の不安を払拭

就業不能保険は自身の収入減少を補う役割があります。働けない期間であっても治療などに掛かる医療費、継続的に必要となる生活費、住宅ローンや車のローン、また家族がいる場合には養育費・学費が必要です。また、30代夫婦家庭の場合、平均で約37万円が必要という計算ができます。平均生活費は月々約26万円、住宅ローンの全国平均は月々5~9万円、学費については、たとえば国公立の幼稚園で月13,000円(私立ならその2倍)という内訳です。

それらのような支出の手助けになるだけではなく、収入がゼロになってしまった場合でも月ごとにその保険金を受け取ることができるため、経済面での不安をある程度軽減でき、精神的にも安心ではないでしょうか。

公的保障での不足分をカバーできる

もしあなたが会社員であれば社会保険に加入しているので、就業不能状態になった場合は傷病手当金や障害年金などの公的保障があります。しかし、厚生労働省の世帯収入に関する調査によると1ヶ月あたりの平均収入は平均35.3万円。対して同省の年金に関する調査によると、公的保障1ヶ月あたりの平均収入は10.2万円という数字が出ているので単純に約25万円の収入減となります。生活に必要な資金を公的保障だけで賄うのは現実的に難しいでしょう。また、前述した自営業のような国民健康保険加入者に傷病手当金は発生しません。障害基礎年金のみの給付となるため、さらに厳しい状況となります。そのため、毎月安定して支払われる就業不能保険がいかに助けになるかが分かります。

医療保険での不足分をカバーできる

病気やケガをしてしまった際は医療保険により保障されますが、あくまで入院や通院時の治療費といった一時的な費用における保障であり、それ以外に継続して必要になる生活費や各種ローンには対応できません。また、医療保険の内容によってどれだけ保障されるかも異なるため、自己負担分が発生する可能性もあります。療養期間中に大幅に減ってしまう毎月の収入を補うための臨時収入として、就業不能保険が必要です。

就業不能保険のデメリットは?

続いて、デメリット及び保障内容の注意事項について2点説明します。

免責期間がある場合が多い

就業不能保険は就業不能状態の期間が一定以上ないと保険がおりないというデメリットがあります。たとえ傷病により就業不能状態になっていても、規定の期間を満たしていない場合は保障の対象となりません。対象期間は保険会社によってそれぞれですが、60日以上と設定している会社がほとんどです。加入時に担当者へ必ず確認しましょう。

うつ病など精神疾患が対象外の場合がある

うつ病などの精神疾患も就業不能になる原因のひとつですが、多くの就業不能保険はうつ病や統合失調症をはじめとする精神疾患は補償の対象外です。近年では精神疾患も保障の対象となる就業不能保険も登場しています。ただし、保険金の給付には長期間の入院が必要であるなど厳しい条件であることが現状です。

就業不能時にはどんな公的保障がある?

病気やケガで就業不能状態になった際に発生する公的保障を以下で説明します。

傷病手当金

傷病手当金とは、病気やケガなどの理由で就業不能になった際に、健康保険から支給される手当金です。社会保険に加入している会社員であれば誰でも、かつ退職後でも継続して受給可能です。病気などの療養のために、仕事を休んだ日から連続して3日間の待期のあと、4日目以降の仕事に就けなかった日から最長で1年半先まで支給されます。ただし、業務上・通勤災害による労災保険の給付対象になるものや美容整形など疾病と見なされないものは支給対象外です。なお、前述の通り自営業や個人事業主など国民健康保険加入者については支給の対象外です。支給額の計算方法は、以下の通りです。

(支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準月額を平均した額)÷30日×2/3

障害年金

障害年金は病気やケガによって生活や仕事に制限を受けるいわゆる障害状態の時に受け取ることのできる年金です。障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2種類があります。診療を受けた時にどの年金に加入しているかによって請求できる年金は変わります。国民年金に加入している場合は「障害基礎年金」。厚生年金に加入している場合は「障害厚生年金」です。

 

「障害基礎年金」について解説します。

「障害基礎年金」の支給要件は以下のいずれかを満たしている必要があります。

・初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
・初診日において65歳未満であり、初診日がある月の前々月までにあたる1年間で保険料の未納がないこと

「障害基礎年金」の年金額は等級によって変動します。1級は781,700円×1.25+子の加算額、2級は781,700円+子の加算額と定められています。

参考:「日本年金機構:障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法

 

「障害厚生年金」の支給要件は以下の3つを満たしている必要があります。

1.障害の原因となった病気やケガに関して初めて診療を受けた日が厚生年金保険の加入期間中であること

2.一定の障害状態にあること

3.(1)公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料を納付していること(または免除されていること)
   (2)65歳未満の状態で初診を受けていること。初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。

「障害厚生年金」の年金額は以下の通りです。

【1級】
(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,700円)〕※

【2級】
(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,700円)〕※

【3級】
(報酬比例の年金額) 最低保障額 585,700円

※その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。

出典:「日本年金機構:障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法

高額療養費制度

高額療養費制度とは月初めから月末までに医療機関や薬局での支払額が一定の上限額を超えた場合に、その超過分が戻ってくる制度です。対象は公的医療保険の適用範囲のみです。69歳以下の全員が受給対象者です。70歳以上は、住民税非課税の方および現役並み収入(年収約370万円~約1,160万円)のある方に限定されています。なお、高額療養費支給を受ける権利の消滅時効は、受診翌月の初日から2年後までです。したがって、この2年間の消滅時効に掛かっていない高額療養費であれば、遡って支給申請が可能です。

就業不能保険の選び方・比較の仕方

ここまで、就業不能保険の概要やメリットやデメリットについてご紹介しました。ここからは、どの商品にするかを選ぶ際のポイントについて詳しくお伝えします。

「就業不能状態」の定義

保険会社各社がさまざまな商品を展開していますが、就業不能状態の定義が各社で違います。また、いつまで支給されるかの期限まで細分化されているケースもあります。加入前に担当者へ確認しましょう。また、自力で理解することが困難な場合は専門家へ相談してみるのもいいでしょう。

保険金の支払い条件の確認

デメリットで挙げたように、保険金の支払い条件として各社で免責期間が違います。免責期間の詳細や、うつ病などの精神疾患に対応しているかどうかも確認しておくべきです。近年、長引く不況や経済状況の悪化、失業率上昇など心理的要因の増加に伴い、患者数も年々増加傾向にあります。株式会社JMDCの調査データ「就業不能状態の原因となった疾病ランキング」では20~40代の第1位と総合1位に精神疾患が並んでいます。いかに精神疾患が就業世代を蝕んでいるかが浮き彫りとなっています。精神疾患が保障の対象かどうかは現代人にとって非常に重要なポイントです。

受け取り方

たとえば免責期間が60日と設定されている商品だとして、実際に受給する際に就業不能状態設定を1年半未満の短期間にするか、1年半以上の長期間にするかで受取金額を調整できます。

受取金額を調整できる商品のメリットは、受取金額を低くすればその分保険料が安くなることです。そのため、無条件で1年半は傷病手当金が支給される会社員や公務員の方には、自己負担が少ないため就業不能保険の加入がおすすめです。一方で、公的保証が無い自営業・フリーランスの方や、主婦・主夫の皆さんは短期間・長期間に関わらず、最初から高めの金額に設定しておくといいでしょう。

公的保障・医療保険の不足分を確認

就業不能保険に加入した際、自身が加入している公的保障や医療保険の内容と照らし合わせて、どれくらいの支給額になるのかを確認しておくことが大切です。

まとめ

ここまで、就業不能保険の特徴について詳しく解説しました。最後におさらいです。まず、就業不能保険とは「所定の就業不能状態に陥った際、毎月一定額を給与のように受け取ることのできる保険」です。就業不能状態になった際、職種によっては公的保障が出ず、不足分を保障で補うことで経済不安を軽減できるため近年注目が集まっています。

就業不能保険に加入するメリットは、

・生活費の不安を払拭できる
・公的保障での不足分をカバーできる
・医療保険での不足分をカバーできる 

逆にデメリットは、

 ・免責期間がある場合が多い
 ・うつ病などの精神疾患が対象外の場合がある点です。

実際に加入する際の注意点は

・商品によって「就業不能状態」の定義が異なるので事前に確認する
・保険金の支払い条件「免責期間」や「精神疾患に対応しているか」を事前に確認する
・保険金の受け取り方を自身の就業形態に合わせて調整する
・必要保障額や期間などの加入条件を設定して月々の保険料をシミュレーションする

これらを念頭に置いて、万が一の事態に備え医療保険とあわせて就業不能保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

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