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三大疾病とは?三大疾病保険・特約は必要?不要?

最終更新日:2020/08/17

三大疾病とは「がん(悪性新生物)」「心疾患(急性心筋梗塞)」「脳卒中」の3つの病気を総称した呼び名です。三大疾病とはどんな病気か。死亡者数や治療費などのデータから読み解きつつ、保険でどのように備えればいいのかについて解説していきます。

三大疾病とは?

三大疾病とは「がん(悪性新生物)」「心疾患(急性心筋梗塞)」「脳卒中」の3つの病気。
他の病気に比べて死亡率が高かったり、入院費や手術費など治療には医療費がかかり高額になるケースが多い病気です。三大疾病について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

がん(悪性新生物)

三大疾病の一つに数えられるのが「がん」です。悪性新生物という呼ばれ方もされています。
人間の細胞は約60兆個から出てきており、絶えず細胞分裂を繰り返していますが、そのなかで発生するがん細胞が増殖して身体にダメージを与える病気です。

通常は免疫細胞ががん細胞を駆逐しますが、免疫力の低下や遺伝子の異常などにより、排除しきれずがん細胞が大きくなることにより身体に害が出てくるのです。
がん細胞はできた体の部位で名称が異なり、「肺がん」「胃がん」「乳がん」などそれぞれの部位の名前がついています。

発生組織によるがんの分類

がん細胞が発生した組織によってがんは分類されます。
大きくわけて、血液を作る造血組織にできるがん、体の表面を覆う表皮や粘膜を造る上皮細胞にできるがん、内臓の内側にある平滑筋や筋肉などの非上皮細胞にできるがんに分かれます。

分類詳細
造血組織のがん赤血球や白血球、血小板などの血液をつくる造血組織にできるがんです。
例:白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫
上皮細胞のがん体の表面を覆う表皮や粘膜を造る上皮細胞にできるがんです。
例:肺がん、胃がん、乳がん、大腸がん、肝臓がん例:
非上皮細胞のがん内臓の内側にある平滑筋や筋肉などの非上皮細胞にできるがんです。
例:骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫

※詳細は各医療機関にお問い合わせください。

造血組織のがんには白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫があります。
上皮細胞に出来るがんは肺がん、胃がん、乳がん、大腸がん、肝臓がんなどです。
非上皮細胞にできるがんは骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫などです。

心疾患(急性心筋梗塞)

三大疾病の一つ「心疾患」は、冠静脈に動脈硬化などが起こることで心臓に酸素が送れなくなり、心臓の機能が止まる病気です。なかでも、急性心筋梗塞と呼ばれるものは深刻です。
冠動脈が急に閉塞してしまうので、酸素と栄養を失った心臓が弱り、最終的に壊死してしまいます。

脳卒中

三大疾病の一つ「脳卒中」は脳血管の障害で引き起こされる病気の総称です。
脳卒中は特定の病気を指すものではなく、正式名称は「脳血管障害」です。
脳の血管が詰まった場合には脳梗塞、脳の血管が破れた場合には脳出血と呼びます。
脳を保護する膜の内、くも膜と軟膜の間にあるくも膜下腔で出血が起こるとくも膜下出血と呼びます。それぞれについて見ていきましょう。

脳梗塞

脳梗塞は脳の血管が詰まり、酸素と栄養が行き渡らなくなった結果、脳細胞が壊死する病気です。脳のどの部位で詰まったかによって、知覚障害や運動障害、意識障害などが起こります。
動脈硬化によって血管が狭まり、そこに血の塊である血栓が詰まる脳血栓症や、心臓など血管でできた血栓が詰まり脳塞栓症などがあります。

脳出血

脳の血管が高血圧などによって破れて出血するのが脳出血です。脳のどの部位で血管が破れたのかによって麻痺や感覚障害などが起こります。脳出血が重症になると意識障害などが起こるケースもあります。

くも膜下出血

くも膜下出血は脳を保護する3層の膜のうち、くも膜と軟膜の間にあるくも膜腔という間で出血が起こった状態で、多くは脳動脈瘤という血管の膨らみが破れて発症することの多い病気です。
くも膜下出血が起こると、頭痛や吐き気、嘔吐などの症状から意識不明になるケースが多く、出血が軽ければ意識は回復しますが、出血量が多かったり脳内に流れ込むと亡くなることもある病気です。

データで見る三大疾病

三大疾病は実際にはどれほど怖い病気なのでしょうか?
死亡者数や罹患率、入院日数、医療費などについてデータで詳しく見ていきましょう。

三大疾病による死亡数

三大疾病よる死亡者数、厚生労働省の『平成28年(2016)人口動態統計(確定数)の概況』によると、日本人の死亡者数数130万7000人のうち、がん(悪性新生物)は37万3000人、心疾患は19万8000人、脳血管疾患は10万9000人となっています。

三大疾病による死亡者数と割合
三大疾病による死亡者数と割合

がんで亡くなる方は日本人の死亡者数の29%、心疾患は15%、脳卒中は8%です。三大疾病全体で見ると死因の52%を占めています。

三大疾病の罹患率

三大疾病の罹患率はどうなっているのでしょうか?

部位生涯がん罹患リスク(%)何人に1人か
男性女性男性女性
全がん65.5%50.2%2人2人
食道2.4%0.5%41人194人
10.7%4.9%9人20人
結腸6.5%5.9%15人17人
直腸3.8%2.2%26人45人
大腸10.3%8.1%10人12人
肝臓3.2%1.6%31人62人
胆のう・胆管1.5%1.4%65人72人
膵臓2.6%2.5%39人41人
10.1%5.0%10人20人
乳房(女性)10.6%9人
子宮3.3%30人
子宮頸部1.3%75人
子宮体部2.0%51人
卵巣1.6%62人
前立腺10.8%9人
甲状腺0.5%1.6%185人62人
悪性リンパ腫2.3%1.9%44人52人
白血病1.0%0.7%99人135人

※出典:国立がん研究センター「最新がん統計」

がんの罹患率は2017年の国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」最新がん統計によると、生涯でがんに罹患する確率は、男性65.5%(2人に1人)、女性50.2%(2人に1人)となっています。
一生涯でがんで死亡する確率は、2018年のデータでは男性23.9%(4人に1人)、女性15.1%(7人に1人)となっています。

三大疾病の罹患率(年齢別)
三大疾病の罹患率(年齢別)

心筋梗塞と脳卒中は、厚生労働省の「人口動態統計(平成27年)」を見ると、年齢とともに心筋梗塞と脳卒中が増えて50代では全体の10%前後を占めています。
また、三大疾病で亡くなる人は60代~70代がピークとなっています。

三大疾病の入院日数

三大疾病の平均入院日数はどの程度でしょうか?
厚生労働省の『平成26年患者調査』によると、がんの場合は20日前後、心疾患も20日前後、脳卒中の場合は90日前後となっています。
がんと心疾患での入院日数は比較的短いですが、脳疾患は3か月前後と長くなります。

三大疾病の平均入院日数
三大疾病の平均入院日数

同じく、厚生労働省の『平成26年患者調査』によると、がん患者の推定患者数は推定30万人おり、外来に通院している方は17万人で通院率は57%となっています。
心疾患の推定患者数は約20万人、外来に通っている方はおよそ13万人で通院率は69%です。
脳血管疾患の場合、推定患者数は25万人で、外来に通っている方は約10万人で通院率は37%となっています。
がんの治療は手術以外にも抗癌剤治療や放射線治療など多岐にわたっており、通院が長くなるのが理由です。

三大疾病の医療費

三大疾病にかかった場合の医療費はどの程度かかるのでしょうか?
厚生労働省の『平成26年患者調査』によると、がん治療の国民医療費は3兆9600億円となっています。
総患者数は210万人、1人あたりで割ると治療費は年間200万ほど、月間の医療費は15万円前後になります。

心疾患の治療に使われた国民医療費は1兆8000億円となっています。
総患者数は120万人、1人あたりで割ると治療費は年間150万ほど、月間の医療費は12万円前後になります。

脳血管疾患の治療に使われた国民医療費は1兆8000億円となっています。
総患者数は170万人、1人あたりで割ると治療費は年間100万ほど、月間の医療費は8万円前後になります。

疾病国民医療費総患者数一人あたりの医療費(年間)1人あたりの医療費(月間)
がん3兆9600億円210万人約200万円約15万円
心疾患1兆8000億円約120万人約150万円約12万円
脳血管系疾患1兆8000億円約170万人約100万円約8万円

※出典:厚生労働省『平成26年患者調査』

医療費は三大疾病でもどの病気にかかったかなどによって異なりますが、1か月にかかる医療費の自己負担額は高額医療費制度によって月収28万~50万円前後程度の平均的なサラリーマンであれば8万円が限度額として定められています。
つまり、三大疾病でかかる医療費の多くは高額医療費制度で自己負担額は限られています。

ただし、治療の状況などによっては高度な医療技術を用いた先進医療の医療技術や、個室を希望した際の差額ベッド代などもかかります。
経済的な備えがあると三大疾病にかかっても安心ができます。

標準報酬月額30万円の人の自己負担額
8万0100円+(総医療費96万0000円-26万7000円)×1%=8万7030円
標準報酬月額60万円の人の自己負担額
16万7400円+(総医療費96万0000円-55万8000円)×1%=17万1420円
標準報酬月額90万円の人の自己負担額
25万2600円+(総医療費96万0000円-84万2000円)×1%=25万3780円

三大疾病保険とは?特徴は?

保険には三大疾病に備える三大疾病保険があります。
三大疾病保険はがん、心疾患、脳卒中になったときに保障が受けられる保険で、三大疾病の状態になったときに、一時金である三大疾病保険金が受け取れます。
また、亡くなったり高度障害状態になったときにも死亡保険金や高度障害保険金が受け取れます。
ただし、どちらも受け取れるのは1回だけです。三大疾病保険について見ていきましょう。

三大疾病保険とがん保険の違い

三大疾病保険とがん保険は何が違うのでしょうか?
がん保険はあくまでがんに特化した保険なので、心疾患や脳卒中になった場合には保障は受けられません。
がん保険は幅広い保障が用意されている一方で、がんにかからなければ保障は受けられない掛け捨ての保険が多いです。

一方、三大疾病保険は終身であれば支払った保険料はいずれ死亡保険金を受け取れます。
また、途中で解約した際には解約返戻金があります。ただし、契約から短期間で解約した場合には解約返戻金がなかったりあってもごくわずかだったりします。
保険料の水準が同等であればがん保険のほうが、がんになったときの保障が手厚くなっています。

三大疾病保険の保障

三大疾病保険で備えられる保障について見ていきましょう。
大きく保障には「三大疾病一時金」「死亡・高度障害保保障金」「三大疾病付きの団体生命保険」などがあります。それぞれ見ていきましょう。

三大疾病一時金

三大疾病一時金は三大疾病になったときに100万や200万などといったまとまった金額が支払われる保障です。
三大疾病に罹患した直後には通院や場合によっては介護などの状況も発生しますが、そういったときにまとまったお金が保障されるのは助けになるでしょう。

ただし、三大疾病の状態の条件は保険商品によって異なります。
三大疾病に罹ったものの、初期のがんである上皮内がんは除く場合や、急性心筋梗塞になっても60日以上労働の制限を必要とする場合と医師が判断した場合など、条件が厳しい場合あることもあるので商品をしっかりと確認をしましょう。

死亡・高度障害保険金

三大疾病によって亡くなったり高度障害になってしまったときには、死亡・高度障害保険金が保障され、100万円や200万円といった金額が受け取れます。
また、三大疾病が事由でなくとも亡くなったり、高度障害の状態になったらこの保障は得られます。

三大疾病保障付きの団体生命保険

三大疾病になってしまいこれまで通り働けなくなってしまうことに備えて、住宅ローンには三大疾病保障付きの団体信用生命保険があります。
三大疾病と診断されたときには住宅ローンのローン残債を団体信用生命保険が肩代わりしてくれるものです。

ただし、住宅ローンを組んでいる金融機関によっても三大疾病になったときの要件は違うのでローンを組む場合には十分に確認をしましょう。
民間銀行の住宅ローンと住宅金融支援機構の住宅ローンでは条件が異なります。住宅金融支援機構の場合には、下記のような表の条件となっています。

疾病住宅ローンの返済が免除される条件
がん(悪性新生物)上皮内がん等は除いてがんと確定診断されたとき
急性心筋梗塞急性心筋梗塞により初めて医師の診察を受けた日から60日以上「労働の制限を必要とする状態」が継続したと医師が診断したとき、もしくは治療を目的として手術をしたとき
脳卒中脳卒中により初めて医師の診療を受けた日から60日以上、まひや歩行障害、言語障害などの他覚的な後遺症が継続したと医師が診断したとき、あるいは、治療を目的として手術をしたとき

※詳細は各機関にお問い合わせください。

三大疾病保険の特約

三大疾病保険には疾病に備えて特約をつけられるケースもあります。

三大疾病入院給付金

三大疾病で入院した際、入院1日につき5000円~1万円などの入院給付金が受け取れるのが、三大疾病入院給付金で、通常の医療保険の入院給付金とは異なり、支払限度日数が無制限のものが多いです。
脳卒中などで入院する場合には平均入院期間が90日となっており、入院が長引くケースが多いためです。
長引く入院にも備えて保障が準備されているのは安心と言えるでしょう。

三大疾病通院給付金

三大疾病で通院の際、1日につき5000円~1万円の通院給付金が受け取れるのが三大疾病通院給付金です。
三大疾病に罹った際にはその通院率は高く、がんでは57%となっています。
心疾患で外来に通っている方は69%、脳血管疾患の場合、通院率は37%となっています。
三大疾病は通院が長くなる病気でもあるので検討する余地は十分あるでしょう。

注意したいのは入院を伴わない通院では保障の対象外になるケースもあります。
保険商品によっても異なるので加入する前にしっかりと確認をしましょう。

保険料払込免除特約

三大疾病には保険料払込免除特約もあり、三大疾病と診断されたときにその後の保険料の払込が免除されるものです。三大疾病に罹ったとしてもその後の保険料の心配をしなくてよくなります。
ただし、保険料の支払期間を終身ではなく、短期払いにしていた場合にはそのメリットが薄くなることもあるので注意をしましょう。

三大疾病保険の選び方

三大疾病保険を選ぶ際のポイントはどのような点にあるのでしょうか。
三大疾病保険に向いている方や見直しのタイミングなどから見ていきましょう。

掛け捨ての保険を望まない人

三大疾病保険に向いているのは掛け捨ての保険を望まない人です。
三大疾病保険には途中で解約しても解約返戻金があるので、仮に三大疾病にかからなくても亡くなったり、高度障害になってしまっても保障が受けられるため、掛け捨てが嫌で払込んだ保険料を無駄にしたくない方には有効ですが、ただし、掛け捨てではないのでその分保険料が割高になる点には注意が必要です。

がん以外の三大疾病に備えたい人

がん以外の三大疾病、心疾患や脳卒中に備えたい人には三大疾病保険は向いています。
三大疾病保険は終身の死亡保障に加えて、三大疾病の所定の条件を満たせば給付金を受け取れますが、生前に給付金を受け取ると亡くなった後の死亡保険金は受け取れませんので注意が必要です。

ライフステージが変わった人

三大疾病は50代以下の若年層でも発症の可能性がある病気です。
若いうちから加入しておけば、万が一の事態になっても保障が受けられるので安心です。
三大疾病保険には生命保険としての役割もあるので、結婚したり家族が増えたりなどライフステージが変わった方には検討してみるのも良いでしょう。

三大疾病保険の注意点

三大疾病に備える三大疾病保険にもいくつか注意しなければならない点があります。
それぞれ代表的な注意点について見ていきましょう。

支払い条件が厳しい

三大疾病保険は支払いの条件が厳しいのが注意点です。
診断されただけで保障を受けられるのはがんのみで、急性心筋梗塞や脳卒中は60日以上働けない状態が続くことが条件になっていることが挙げられます。
三大疾病を発症しただけでは保障を受け取れない可能性があることはしっかりと認識をしておきましょう。

疾病支払いの条件
がん(悪性新生物)責任開始前を含めて、初めて「所定のがん(悪性新生物)と診断確定」されたとき責任開始期から90日以内に診断確定されたがんは対象外(関連ページ:がん保険の猶予期間)
急性心筋梗塞急性心筋梗塞を発病し、初めて医師の診療を受けた日から「60日以上、労働の制限を必要とする状態(※)が継続」したと医師によって診断されたとき
※労働の制限を必要とする状態とは、軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできても、それ以上の活動では制限を必要とする状態
脳卒中脳卒中のうち「脳出血・くも膜下出血・脳梗塞」を発病し、初めて医師の診療を受けた日から「60日以上、所定の後遺症が継続」したと医師によって診断されたとき

※詳細は各保険会社にお問い合わせください。

他の保険との保障の重複に注意

三大疾病保険はあくまでがんと心疾患、脳卒中に備える保険です。
すでに医療保険やがん保険に加入している方の場合は保障が重複している可能性があります。
重複しているとその分余計に保険料を支払っている可能性がありますので、加入している医療保険やがん保険がある場合には、三大疾病保険と保障内容がかぶらないかしっかりと確認をしましょう。

まとめ

がん、心疾患、脳卒中の総称である三大疾病と、その三大疾病に備える三大疾病保険。
万が一、三大疾病にかかったときにも三大疾病保険に加入してれば保障を得られます。
自身の健康状態や加入している保険と得たい保障などをしっかり確認しながら、目的に合わせて三大疾病保険を選びましょう。

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