妊娠・出産に備える医療保険を徹底解説

最終更新日:2021/05/28

妊娠中から出産まで、女性の体にはさまざまな変化とリスクが訪れます。妊婦健診や出産時の入院にかかる費用には公的な補助がありますが、切迫流産や切迫早産、帝王切開などにかかるお金は、通常の医療費と同様、3割の自己負担となり、高額な治療費が必要になる可能性もあります。そうした事態に備えて準備しておきたいのが医療保険です。今回は、妊娠中に入れる医療保険について、見ていきましょう。

妊娠すると医療保険には入れないの?

病気やケガによる入院や手術などに備えるための医療保険。妊娠して出産を控えたママたちにとっても、心強いお守りのような存在になりえます。ただ、妊娠してから医療保険に加入したいと思っても契約できなかったり、加入できても妊娠出産を原因とした病気やケガが保障の対象外になってしまう可能性があります。今回は、妊娠中でも入れる医療保険について、解説していきたいと思います。

妊娠中は加入や保障内容に制限がある

妊娠すると、女性の体にはさまざまな変化が訪れます。妊娠前に比べて、病院に通う回数がグッと増える人も多いでしょう。妊婦健診や出産一時金などの妊娠・出産にかかるお金の多くは、国や自治体、健康保険から支給されるため、通常の妊娠・出産であれば、大きな心配は必要ありません。
しかし、つわりが重い場合や、切迫流産や切迫早産などがあると、普段病院にかかる場合と同様、医療費の3割は自己負担となります。医療費が高額になる可能性も高いため、医療保険などの備えがあると安心です。

ただ、一般的な医療保険は、妊娠中だと加入できない場合があります。
加入できたとしても、妊娠週数が限定されていたり、その時の妊娠や出産によって生じた疾病は保障されなかったり、妊娠や出産に関して一定期間保障されないなどの条件付きになることが多いでしょう。また、以前の妊娠経過によって、保障の対象外となってしまうこともあります。
このように、保険会社が定めた特定部位に生じた疾病、また、その治療を目的とする入院や手術については、給付金の支払い対象とならないことを「特定部位不担保」と言います。
妊娠中に保険に加入する際は、しっかりと保障内容を確かめて、今の妊娠、出産に保険が適用できるかどうか調べることが大切です。

妊婦さん向けの医療保険がある

医療保険の中には、妊婦さん向けに販売されている保険もあります。その中には、加入条件を満たしていて、定められた週数までであれば、妊娠中でも加入できて、すぐに保障がスタートするものもあります。
また、妊娠中や産後の病気やケガによる入院や手術、自宅安静まで保障してくれたり、ママだけでなく子どもの入院、手術まで保障してくれるものもあります。

公的な保障も知ろう

妊娠、出産にあたって、国や自治体、健康保険からの保障も充実しています。妊娠や出産時に異常がなければ、全て公的な保障でまかなえる場合もあります。自分が対象となる保障はきっちり申請して、漏れがないようにしましょう。

ママの働き方によってもらえるお金が違う

専業主婦や会社員、フリーランスなど、働き方が異なるママは、それぞれにもらえるお金が変わってきます。例えば、会社員なら「出産手当金」と「育児休業給付金」がもらえます。
また、「出産育児一時金」は、それぞれが加入している健康保険組合から支給されるため、全員が対象です。自分の働き方を踏まえて、どの給付金がもらえるのかしっかりと確認しましょう。

妊婦健診費用の補助

婦検診の費用は、経過が順調であれば健康保険は使えませんが、代わりに国や自治体による助成があります。助成の回数や金額は市町村によって異なりますが、全ての自治体で14回以上の助成が受けられるようになっています。妊娠がわかったら、住民票のある役所に行って手続きをしましょう。

出産育児一時金

健康保険に加入している本人もしくは扶養家族であれば、その種類は関係なく、一人の出産につき42万円が出産育児一時金として支給されます。健康保険組合や自治体によっては、付加給付金がある場合もあります。

出産手当金

出産手当金は、産休中に収入が減ってしまうことに対する休業補償で、加入している健康保険から支給されます。会社員や公務員で、勤務先の健康保険に加入しているママが受けられる手当なので、産休前に勤務先で手続きを行いましょう。

育児休業給付金

育児休業給付金とは、育児休業中、原則として給料が出ないため、本人が加入している雇用保険(共済組合)が生活をサポートするために支給するものです。育児休業が終わった後、職場に復帰することを前提とした給付金です。
受給するためには「雇用保険に加入している」、「育児休業に入る前の2年間で、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある」などの条件があります。もらえる条件が細かく決められているので、あらかじめ確かめておく必要があります。育児休業給付の申請手続は、原則として勤務先が本人に変わって行ってくれることが多いため、まずは勤務先に確認しましょう。

その他、自治体や会社の制度も活用しよう

自治体によっては、出産した住民に対して、独自の給付金を行っている場合があります。例えば、東京都千代田区では、妊娠20週以降の区民に対して、一時金として45,000円を「誕生準備手当」として支給しています。
また、東京都渋谷区では、「ハッピーマザー出産助成金」として、妊娠12週を超えて出産し、出産日の3か月前から申請日現在まで継続して区内に住民登録があり、健康保険に加入している人に対して、10万円を支給しています。
また、出産育児一時金は、健康保険組合や自治体によって、付加給付金がある場合もあります。自分がもらえる給付については、しっかりと申請しましょう。

妊娠・出産に備える医療保険のポイント

公的な保障も多くありますが、異常分娩に備えて医療保険を検討したい場合には、さまざまな項目で比較、検討することが大切です。ここでは、妊娠、出産に備えて医療保険を選ぶポイントとして、主に、保障内容、給付条件、補償額、保険期間について、確認していきます。

保障内容を確認しよう

まず、大切なのは保障内容を確認しておくことです。妊娠した際に医療保険で保障の対象となるのは、帝王切開や切迫流産、切迫早産、吸引分娩や妊娠糖尿病などの異常分娩だった場合で、入院や手術に対して、給付金や一時金が出るのは、多くの医療保険で同様です。
ただ、それ以外の保障内容はさまざまで、例えば、切迫早産で自宅安静になった場合にも通院一時金が出るものや、産後の体調不良による入院を保障してくれるもの、また死亡保険金が出るものなど、さまざまです。

給付条件を確認しよう

妊娠、出産にまつわる疾病については、保障の対象となる条件が定められている場合があります。たとえば、妊娠中に加入できたとしても、その時の妊娠、出産は保障の対象とならない場合もありますが、一方で、妊娠19週まで加入できて、その妊娠から対象となる保険もあります。給付の条件が自分にあったものかどうか、確認した上で加入することが大切です。

保障額を確認しよう

入院一時金や入院日額、手術の一時金は、加入する保険によって異なります。入院一時金の有無や入院日額がいくらなのか、1回の入院での支払い上限日数が何日なのか、調べておきましょう。また、手術でもらえる金額もそれぞれ違いがあります。自分が必要だと思う部分で、保障額がしっかりと出るかどうかが、ポイントになりそうです。

保険期間も確認しよう

妊娠中でも入れてすぐに保障が始まる保険には「少額短期保険」も多く、その場合、保険期間は1年間です。ただ、契約者が解約の手続きをしない場合は、そのまま自動で契約更新となる場合もあります。
通常の医療保険であれば、定期型と終身型の2種類あり、定期型は更新ごとに保険料が高くなるものと、払込満了まで一定額のものに分かれています。妊娠中や産後すぐまでの保障を求めるのか、出産後も同じ医療保険に加入し続けるかによって、適した保険期間は変わってくるでしょう。

妊婦さん向けの医療保険とは?

ここからは、妊婦さんを対象とした医療保険について、みていきましょう。

妊婦さん向け医療保険は女性向け医療保険のうちのひとつ

乳がんや子宮がんなどの女性特有のがんや、子宮や卵巣がおかされる女性特有の病気、そして、妊娠や出産など、女性の健康にはリスクがつきものです。そんな「もしもの場合」の備えに特化して保障してくれるのが、女性向けの医療保険です。単体で女性向けの医療保険として販売されているものと、通常の医療保険に「女性疾病特約」が付加されたセットタイプのものの2種類があります。

【女性向け医療保険の種類】
1)単体タイプ(妊婦さん向け医療保険もこの一部)
2)「セットタイプ」と呼ばれる通常の医療保険に女性疾病特約を付けたもの

妊婦さん向けの医療保険は、女性向け医療保険の単体のもので、入院や手術での給付に加えて、切迫早産での自宅安静や産後うつでの通院などに保障が下りるなど、妊娠と出産に特化した対応ができる商品です。


母子保険「はぐ」への加入は妊娠19週まで。妊婦さん必見の保険。

母子保険「はぐ」への加入は妊娠19週まで。妊婦さん必見の保険。

妊娠・出産・育児の観点から見た「女性向け医療保険」

女性向け保険のセットタイプは、妊娠の時期によって加入できなかったり、保障に条件が付いたりすることが多くあります。特に妊娠や出産に関する補償を対象外とする「特定疾病・部位不担保」という条件が付く場合がほとんどです。
対して、妊娠・出産に特化している妊婦さん向け医療保険は妊娠初期に入れるものもあるため、妊娠や出産に備えて保険を検討している場合には、単体のもので特に妊婦さん向けの医療保険を選ぶといいでしょう。

妊婦さん向け医療保険のメリット

・妊娠中でも加入でき、すぐに保障がスタートする
・妊娠中や産後の入院や手術だけでなく自宅安静まで補償してくれるものや、ママだけでなく子どもの入院、手術まで補償してくれるものまで、従来の医療保険にはない妊娠出産に特化した保障内容
・医療保険の補助として加入することで保障内容が広がり安心できる

妊娠中に切迫早産で自宅安静となった場合や、産後うつなどの産後・育児期の精神疾患を保障してくれる保険もあります。こうした保障内容は、これまでの医療保険にはなかった新しいもので、妊婦さん向けに特化しているため、こうした保険は保障がシンプルでわかりやすいことも特徴のひとつです。

妊婦さん向け医療保険のデメリット

・自治体などの公的な補助が受けられ、すでに加入している医療保険と保障が重複するなど、妊娠出産における心配が全くない人には向かない
・加入できる妊娠週数に制限がある
・保障の請求が面倒だったり、方法がわかりにくい場合も
・育児のための貯蓄やさまざまな場面での出費を考えると、保険は節約する対象に上がりやすい

一方で、デメリットもあります。すでに加入している医療保険の保障内容と重複してしまう場合や、公的な補助で十分だという場合もあったり、加入できる妊娠週数に制限があるため、加入できない可能性もあるようです。

妊婦さん向け保険の選び方

それでは、加入する保険については、どのように選べばいいのでしょうか。

現在の保険加入状況をチェック

まずは、現在どのような医療保険に加入していて、どのような保障内容なのかチェックします。その内容で妊娠、出産時の保障に関して不安を感じた場合には、妊婦さん向けに特化した保険への加入を視野に入れてみましょう。

公的な補助金で足りない部分を保険でカバーしよう

また、妊娠・出産においては公的な保障も多くあります。それでは足りない部分を保険でカバーできると良さそうです。たとえば、産後うつが不安だという場合には、公的な補助がまだまだ充実しているとは言えないため、ママのメンタルをサポートしてくれるような保険への加入を検討するのがおすすめです。現在加入している医療保険には足りない部分を保障してくれるような保険を、追加で加入するのもいいかもしれません。

ケース別保険の選び方

ここからは、妊娠のケース別に保険選びについて考えてみたいと思います。

初産婦の場合

初めての妊娠・出産の場合、不安な気持ちを抱く人もいるでしょう。その場合、保障内容だけでなく、妊娠や出産についての情報提供が充実しているものを選ぶのがおすすめです。特に、現在は新型コロナウイルスの流行により、妊娠や出産の家庭で親戚や友人の手を借りづらくなっています。そんな不安な気持ちを少しでも軽くしてくれるような保険を選ぶと、安心な気持ちで過ごすことができそうです。

経産婦の場合

前回の出産は一人ひとり異なることでしょう。もし、前回の出産でトラブルがあった場合は、そのトラブルにについての保障内容が充実しているものを選ぶといいでしょう。
さらに、上の子の育児と出産との両立をしなければならないため、初めての出産の時よりも体力的な負担は大きくなることも考えられます。産後の保障が手厚いものや、以前経験した出産でのトラブルや出費を保障してくれるものを選びましょう。

高齢出産の場合

また、高齢出産は流産や難産など、妊娠中や出産後のリスクが高まります。特に保障が手厚いものを選んでおくと、安心して妊娠期間や産後を迎えることができるでしょう。

まとめ

妊娠や出産によるさまざまなリスクへの備えをしておくことで、きっとママたちの心の安定にもつながるでしょう。自分が対象となる公的な給付金や民間の医療保険など、事前にしっかりと調べておくことが大切です。
また、新たに妊婦さん向けの医療保険に加入することも、あわせて検討してみてもいいかもしれません。自分にあった妊娠と出産、そして産後を迎えるためにも、しっかりと準備を整えましょう。


母子保険「はぐ」への加入は妊娠19週まで。妊婦さん必見の保険。


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