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保険の告知義務とは?どこまで必要?告知義務違反するとどうなる?

最終更新日:2020/05/28

生命保険に入る場合には被保険者の健康状態など現在の状況を保険会社に告知しなければならない告知義務があります。この告知義務に違反した場合には、契約が解除されたり、保険料の支払いとなる事態が起こっていても保険料が支払われない可能性もあります。告知義務と告知義務違反について解説していきます。

告知義務違反とは?

生命保険に加入する際には、契約の対象となる被保険者の健康状態や過去の病歴、身体の障害、就いている職業などについて保険会社に告知をしなければいけません。

保険の告知義務の仕組み
保険の告知義務の仕組み

告知義務は保険法で定められており、告知を行わなかったり、事実と違う内容を届けた場合には告知義務違反となります。告知義務違反があった場合には契約を解除されたり、保険料の支払いとなる事態になっても、支払いがなされなくなったりします。

平成22年(2010年)から施行された保険法では、保険契約者や被保険者の告知義務が、それまでの自発的申告義務から質問応答義務に変更されています。
保険会社が告知を求めた事項について回答する形で告知を行います。
告知の方法には質問事項を告知書に記入するケースや、医師の診査によるケースなどがあります。
保険会社によっても異なるので、契約を考えている保険会社にしっかり確認を行いましょう。

なぜ告知が必要なのか?

そもそも生命保険ではなぜ告知が必要なのでしょうか?
生命保険は加入している方がそれぞれに保険料を支払い困っている方を支える相互扶助の考えで成り立っています。保険会社は契約を公平にしなければなりません。
仮に健康状態のよくない人も契約でき、結果保険金や給付金を受け取ることができれば公平性は保てなくなってしまいます。
保険会社は申し込み時に告知を求め、被保険者の健康状態を確認して、保険の公平性を確保できるようにしているのです。

告知義務違反があるとどうなる?

告知義務違反があるとどうなってしまうのでしょうか。
告知義務違反をすると、契約解除や契約の取り消しなどがあり得ます。それぞれ見ていきましょう。

契約解除のリスク

故意に告知をしなかったり、もしくは重大な過失により事実の告知をしなかったりした場合、責任開始日から2年以内は告知義務違反で保険契約が解除されることがあります。

また、2年が経過していても、保険金の受け取り事由が責任開始日から2年以内の場合は保険契約を解除されることがあり、保険契約を解除されると保険金が受け取れる事由があっても保険金を受け取る事はできません。
ただし、解約されたときに解約返戻金があれば、解約返戻金を受け取ることはできます。

契約取消しのリスク

告知義務違反の内容が特に重大だった場合には、詐欺として扱われ、保険契約自体が取消しになります。
契約取消しになると、それまで払った保険料は戻ってきませんし、保険金を請求しても受け取れません。

契約解除されない場合(時効、過失、不告知教唆)

告知義務違反があったとしても契約が解除されない場合もあります。
告知義務違反の時効や過失、不告知教唆の場合です。それぞれのケースについて見ていきましょう。

時効

告知義務違反の時効があったときには契約解除されません。
責任開始日から2年以内に保険金や給付金の受け取り事由が発生しなかったときや、保険会社が解除の原因を知ってから1か月以上経過したときには契約解除にはなりません。

過失

告知義務違反の過失があったときも契約解除にはなりません。
契約締結の時点で保険会社が解除の原因となる内容を知っていたときや、過失によって知らなかったときは契約解除にはなりません。

不告知教唆

告知義務違反があっても不告知教唆のときにも契約解除にはなりません。
例えば、告知の際に保険募集人が正しく告知することを妨げたり、事実ではないことを告知するように勧めた場合などです。
告知義務違反の対象になった内容とは関係のない病気や怪我で保険金や給付金の請求を行った場合には、保険金や給付金を受け取ることが出来ます。

告知のポイント

告知義務違反が起こると契約が解除されたり、詐欺として契約が取消になってしまいます。
告知義務違反を起こさないためにもしっかりと告知をすることが必要です。告知のポイントをまとめます。

告知項目

保険会社に告知する項目は主に2種類です。職業内容の告知と、健康状態の告知です。
危険な職業に従事している方や、過去に傷病歴がある方は保険金を受け取る可能性が高くなります。職業や健康状態を正しく告知することが必要です。

告知事項に該当すると契約できないケースもありますが、正しく告知すれば保険料の割増や特定部位の不担保など条件付きで契約ができるケースもあります。

危険な職業に該当するのは、例えばとび職や大工など建設現場で作業に従事する方や、鉱山で地下作業や砕石作業を行う方、ダイバーや船舶を用いて漁業を行う方などです。
業務上、生命が脅かされてしまうリスクがある職業に就いている方はしっかりと職業内容について告知しなければなりません。

告知項目
・最近の健康状態について
・過去の病気や怪我について
・健康診断結果について
・身体の障害について
・過去のがんについて

質問例
・過去3か月以内に病気や怪我で、医師の治療・診察・治療を受けたことがありますか?
・過去5年以内に病気や怪我で入院または手術を受けたことがありますか?
・過去2年以内に健康診断や人間ドックを受けて異常(要再検査・要精密検査・要治療)を指摘されたことがありますか?
・視力・聴力・言語・咀嚼機能に障害はありますか? 足・手・指に欠損や機能不全はありますか?
・今までにがんと診断されたことはありますか?

ありのままを記入しましょう

告知書はありのままの事実を記入することが必要、かつ、必ず被保険者が記入しなければなりません。
問われていることをありのままに正確に告知しましょう。質問にないことまで回答する必要はありません。

あいまいな表現にしない

告知書は曖昧な表現にしないことも重要です。
質問事項によっては、覚えておらず記入が難しい場合もあるかもしれません。その場合は空欄にするのではなく、診察券や診療報酬明細等を頼りにできる限り記入しましょう。

曖昧な表現で濁すのではなく、健康状態を正しく伝える努力は必要です。
告知文の記入例などを参考に書き込んでいきましょう。

過去の病歴、現在の状況を書く

告知書を書いていくなかで過去の病歴を記入する項目もあります。
病歴を記入する場合には、「傷病名・診断名」「部位」「検査名」「医療機関名」「症状・原因」「診察・検査・治療・投薬の開始時期」「入院の有無と時期・期間」「手術の有無と内容」「後遺症・合併症」等のほかに、「現在の状況」まで記入が必要になります。

過去の状況と現在の状況をしっかり書き込むことで告知義務違反を免れることが出来ます。

告知を忘れてしまった場合

告知を忘れてしまった場合にはどうなるでしょうか?
告知義務違反があり、2年以内には契約を解除される可能性があります。
2年以上経過していれば契約解除の対象外ですが、保険会社によっては重大な場合は2年以上経過していても契約を取り消すことができると定められています。

告知を忘れていた場合には保険会社に速やかに連絡して告知方法について確認を行いましょう。
既に保険金の支払事由があったり、責任開始日から2年以上が経っている場合には告知内容の訂正ができない場合もあります。追加で告知を行うと責任開始日は追加で告知を行った日になります。

告知なしで加入できる保険

保険会社に健康状態を告知しなくても加入できる保険はあります。
無選択型保険や引受基準緩和型保険など、告知なしで加入できる保険について解説します。

無選択型保険

健康状態の告知が必要ない死亡保障の保険が「無選択型保険」です。
無選択型保険は被保険者の健康状態を問わないので持病があって通常の生命保険の告知事項がある方でも加入ができます。
ただし、保険料は割高になっていたり、加入から2年以内に亡くなった場合には払い済みの保険料分のみしか保険金が支払われないなど、保障に制限がかけられています。

引受基準緩和型保険

持病や入院経験がある方でも加入しやすい保険に「引受基準緩和型保険」もあります。
引受の基準を緩和しているために、告知項目が2~4項目程度に限定されています。

主な告知項目は「直近3か月以内に入院・手術・検査を受けたか」や「直近3か月以内にがんや肝炎・肝硬変で診察や検査を受けたことがあるか」「過去2年以内に病気や怪我で入院や手術を受けたか」などです。

引受基準緩和型保険は持病がある方でも加入しやすい反面、保険料は割高になっていたり、保険契約後の1年間は給付金や保険金が半額になる特徴もあります。
自身の受けたい保障内容としっかり照らしあわせて検討しましょう。

まとめ

生命保険の告知は正しく行わなければ告知義務違反になってしまいます。
告知義務違反になると保険を解除されたり、取り消されて受けたい保障が受けれないケースも出てきます。
正しく告知を行えば結果として受けたい保障が受けられます。

また、告知項目にひっかかる箇所があっても、無選択型保険や引受基準緩和型保険などがあるので、自身の受けたい保障内容と保険料などを加味しながら自身にぴったりな保険を探しましょう。

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