告知義務違反するとなぜバレる?もしバレた時はどうなる?判例・事例を含めてご紹介!

最終更新日:2021/12/28

生命保険や医療保険に加入するとき、自身の健康状態や病歴などを保険会社に伝える「告知義務」があります。今回は、告知義務に違反するとどうなるのか、また、なぜ告知義務違反がバレるのかについて事例を含めて説明します。これから保険の加入を検討している方は、告知義務違反について理解を深めておきましょう。

告知義務違反とは?

告知義務とは、生命保険や医療保険に加入するときに、自身の健康状態や病歴などについて、保険会社に確かな情報を告知する義務のことです。この義務を怠ると、告知義務違反と判断されます。

そもそも告知って何?

その理由は
保険に加入するときに必要になる告知内容には、以下が挙げられます。

・過去の病歴
・現在の健康状態
・服用している薬
・持病
・障がいの有無と種類
・妊娠しているか
・勤務先や仕事内容

告知する内容は、保険会社や保険の種類などによって異なります。
では、なぜ保険の加入に告知義務が設けられているのでしょうか。

生命保険や医療保険などの保険は、保険の加入者全員から掛け金を集めて、ケガや病気で費用が必要となった方に、集めたお金の一部を補償(保険金)として渡す仕組みとなっています。

加入時に告知義務がなければ、加入者それぞれの病気やケガのリスクを把握できないため、集める掛け金と支払う保険金のバランスを保つことができません。

たとえば、何度も補償を受ける可能性のある人が、補償を受ける可能性が低い健康な人と同じ保険料で補償を受けることも可能になってしまいます。このような事柄を事前に防止し、公平性を保ち、保険商品を正しく運用するために告知義務が設けられています。

告知内容は個人情報に関する項目が多いため、人に言いたくない情報を伝えなければならない場合もあります。とはいえ、真実を告知しない、または嘘の内容を告知するなどの行為は行ってはいけません。たとえ故意でなくとも、告知漏れや虚偽の申請が明らかになるとさまざまなリスクがあります。

告知義務違反を犯してしまうと何が起きる?

ここでは、告知義務違反を犯したとき、何が起きるか説明します。

告知義務違反を犯してしまうと保険金が受け取れなくなる。悪質だった場合は解約返戻金も受け取ることができない。
告知義務違反を犯してしまうと保険金が受け取れなくなる。悪質だった場合は解約返戻金も受け取ることができない。

保険契約が解除される?

保険契約が開始される責任開始日から2年以内に告知義務違反が発覚した場合、契約解除となる可能性があります。契約が解除されてしまうと保険金を受け取ることができなくなります。故意でない場合でも、虚偽の申告と見なされ告知義務違反と判断されるため注意が必要です。場合によっては、保険金の払い戻しが受けられるケースがあります。

保険契約が取り消される?

告知義務違反の内容が悪質または重大であった場合、保険契約を取り消されることがあります。保険契約取り消しは、解除される場合と異なり、解約払戻金を受け取ることができません。保険契約の取り消しに期限はなく、2年以上が経過しても行われます。虚偽の告知が悪質な場合は、詐欺と判断され法的措置を講じられる可能性もあるため注意が必要です。

また、契約解除も契約取り消しも、支払った掛け金は返金されません。たとえ保険金の支払い事由に該当する病気にかかったとしても、補償を受けることができなくなります。

告知義務違反の時効は?

告知義務違反には時効が存在します。契約が開始される責任開始日から2年以内が告知義務違反の時効となることが一般的です。ただし、法律によって時効を「2年」「5年」「10年」とする考え方もあります。

保険法では、「5年」以内に告知義務違反が発生した場合に、契約を解除できると定められています。約款に「2年」と記載されていない場合は、5年が適用されることになります。

また、民法では債務不履行の消滅時効を10年と規定しています。時効の優先順位は保険約款、保険法そして民法となるため、時効期間は基本的に2年または5年が適用されることが一般的です。とはいえ、2年が経過しても悪質または重大な告知義務違反については、契約取り消しとなるため注意しましょう。

たまたま告知を忘れていた・間違えていた場合

注意して告知しても、誰でもミスをしてしまう可能性はあります。契約後に記入ミスや記入漏れに気がつくこともあるかもしれません。

このような、うっかり起きてしまったミスでも告知義務違反として扱われてしまいます。間違いに気付いたときは、告知義務違反となる前にすぐ保険会社へ連絡しましょう。

告知内容を訂正するときは、以下の手順で追加告知をします。

1、保険会社へ連絡

告知義務違反の過失があったときも契約解除にはなりません。前提として、この際の「過失」とは保険会社側のミスを指します。契約者側のうっかり告知漏れのことではありません。契約者側の「うっかり」については後述を参考にしてください。
具体的に、保険会社の過失とは、契約締結の時点で保険会社が契約解除の原因となる事柄を知っていた場合や、契約者側が「何が告知義務違反になるか」を保険会社から知らされなかった場合を指します。これらの場合には、保険会社のミスが原因となりますので契約解除にはなりません。

2、追加告知の書類を受け取り記入

保険会社に連絡したあとは、追加告知の書類が届きます。ミスをしないよう丁寧に記入しましょう。

3、書類を送付

追加告知の書類に記入し、保険会社へ送付します。送付後は内容の審査が行われるため、審査結果を待ちましょう。追加告知の内容次第では、保険契約を継続できない、あるいは条件付きの加入になってしまう場合もあります。

保険契約を継続ができなくなることを恐れて、審査を避けるために追加告知をせずそのままにしてしまうとおくと、悪質な行為と見なされることがあります。告知義務違反として契約が取り消される可能性もあるため、ミスに気づいたら必ず追加告知しましょう。

告知義務違反に問われた事例に関しては後ほど説明します。

告知義務違反はなぜバレるのか?

告知義務がバレるのは、保険会社に保険金や給付金を請求した時、または同じ保険会社で他の保険を契約する時。
告知義務がバレるのは、保険会社に保険金や給付金を請求した時、または同じ保険会社で他の保険を契約する時。

告知義務違反はなぜバレてしまうのでしょうか。告知義務違反は告知書を出した時点で発覚することはありません。なぜならば、告知内容の真偽を調べるタイミングが契約時ではないためです。保険会社が契約時に告知内容を調べて、間違いを指摘することもありません。

保険会社が告知内容を調べるタイミングは、保険金・給付金を請求したときです。すべての加入者について契約時に確認をすると、保険会社は多くの労力と時間を消費してしまいます。そのため、保険金の請求があったときに、告知内容が事実であるかどうかを確認します。とくに、保険に加入して2年以内は契約時に持病を隠していた可能性が高いため、より細かく調査されます。

また、同じ保険会社で他の保険を契約するときにも、告知内容の真偽を調査されます。同じ時期・近い時期に契約する場合は、まとめて書類を書くため記入内容に差異は生じません。しかし、加入時期が開いていると、記入内容に差異が生じることも想定できます。

たとえば、当初の告知では記入していなかった病歴が加わっている可能性です。もしこの告知内容に違う箇所が見つかった場合、告知内容のどちらかで告知義務違反の可能性が疑われます。どちらが正確なことを記載しているか確かめるために、さまざまな調査が行われます。

保険会社が告知内容を調査する方法には、以下の2つがあります。

・医療機関
保険会社が最初に調べる場所は医療機関です。病院には5年分のカルテが保存されているため、契約者の過去に患った病気を調べることが可能です。通院履歴や手術内容、入院日数まで細かく調べることができます。

・健康診断
健康診断の結果も調査の対象です。告知を行う際に、健康診断書の提出が必要な保険会社もありますが、提出が必要ない場合もあります。告知の際に健康診断書を提出していなくても、保険会社は健康診断書を医療機関に請求することが可能です。告知内容が疑われる場合は、契約時の健康診断書を調査される可能性もあります。健康状態を適切に記載するために、健康診断書を参考に告知書を記入するようにしましょう。

告知義務違反の判例・事例

具体的にどのようなケースで告知義務違反に問われるのでしょうか。ここからは、実際に告知義務違反と判断され、大事になってしまった判例・事例を紹介します。

告知義務違反で契約解除された例1

生命保険に加入時点で、医師から慢性肝炎と診断されていた被保険者の事例です。

被保険者は、慢性肝炎と診断されたあとに治療を受けていました。しかし、保険加入時の告知書に慢性肝炎の治療を受けていると記載しておらず、事実を告知しませんでした。

ところが保険に加入した2年後、被保険者は肝硬変で死亡しました。

遺族が保険金の請求を行いましたが、保険会社は保険金の給付を拒否しました。なぜならば、保険加入時に慢性肝炎の治療を受けていると告知していなかったとして、告知義務違反であると判断したためです。

しかし、遺族側は「医師から肝硬変であると診断されていなかった」として反論しました。両者の主張は対立し、4000万円の死亡保険金を求める裁判へ発展してしまいました。

そしてこの裁判は、遺族側の敗訴と判決が下りました。判決理由は「たとえ医師から肝硬変と診断されていなくとも、慢性肝炎の診断と治療の告知を行っていなかったため」です。

告知義務違反で契約解除された例2

生命保険に加入した1年後、くも膜下出血によって死亡した被保険者の事例です。

被保険者は、保険加入前には高血圧と診断されており、薬を服用していました。保険加入後1年後に被保険者は死亡してしまいましたが、加入時の告知書に高血圧のことを記載していなかったため、保険会社は告知義務違反を理由に保険金を支払いませんでした。

この判断を受け遺族側は、生命保険に加入するとき、面接士と外務員に高血圧だと告知を行っていたと陳述しました。告知義務違反ではないと4100万円の死亡保険金を求める裁判に発展しましたが、最終的には遺族側の敗訴と判決が下りました。

判決理由は、被保険者の証言通り、面接士と外務員に高血圧だと告知を行っていたことが事実でも、告知書に明記していなかったためです。面接士と外務員には告知を受領する権限はありません。そのため、告知義務を履行したとは言い切れません。保険加入の仲介手続きを依頼する際は、告知は口頭で行わず、きちんと告知書に漏れがないよう記載しましょう。

告知義務違反で契約解除されなかった例1

生命保険に加入した1年11か月後に、脳幹部出血によって死亡した被保険者の事例です。

被保険者は6000万円の生命保険を解約し、友人の外務員に紹介された別の生命保険に加入しました。そのとき被保険者は、健康診断で高血圧の要精密検査が出ていました。しかし、被保険者は友人の外務員に高血圧が原因で要精密検査が出ていることは伏せる様に強く指示され、告知書に記載しませんでした。

その後、被保険者が死亡して遺族が保険金を請求したときに、保険会社に高血圧の告知を行っていなかったことが原因で契約を解除されました。

これを受け遺族側は、解約した保険金の6000万円と契約した保険金の一部返還を求めて裁判を起こしました。結果は遺族側の勝訴でしたが、遺族側の要求が完全に通ったわけではありません。

保険会社は契約通りに、遺族へ対して保険金750万円と家族収入特約月20万円を払いました。しかし、解約した保険金を受け取ることはできず、新たに契約した保険の補償のみでした。

このように、外務員が虚偽の告知内容を書かせる「不告知教唆」があったときは、保険金が支払われる場合もあります。ただし、すべての場合で保険金が支払われるわけではないため、自身でしっかり
告知を行うことが重要です。

告知義務違反で契約解除されなかった例2

生命保険に加入した1年半後に、胸部大動脈瘤破裂によって死亡した被保険者の事例です。

被保険者は保険に加入する約2年前に人間ドックを受けており、大動脈弓部拡大と診断されており、精密検査が必要とされていました。保険に加入するときには、被保険者は「血圧異常」を告知して加入しました。

その後、被保険者が死亡し、遺族が保険会社に保険金を請求します。ところが、保険会社は「大動脈弓部拡大の診断」について告知しなかったことは告知義務違反であると判断し、契約を解除して保険金を支払いませんでした。

その結果を受け遺族側は、2800万円の保険金を求めて裁判を開きました。結果は遺族側の勝訴となりました。判決理由は、医師の下した大動脈弓部拡大という診断は告知事項とは言えず、告知しなかったことが重大な過失であったとは認められなかったためです。

被保険者は、大動脈弓部拡大に関する具体的な説明を受けていません。そのため、自身の健康状態を把握しておらず、故意に行った告知と断定することは不可能でした。よってこの件は、重大な過失でないと判断されることとなりました。

告知義務違反を犯さないために

告知義務違反を犯さないために、告知書に必ず真実のみをすべて記載しましょう。また、過去の病気や健康診断の結果などは詳細に記述することが重要です。もし告知を忘れている事項があった場合や、間違えていたことに気付いたときは、すぐに保険会社へ連絡しましょう。

まとめ

以上のことから、もし告知書に記載する内容に不備があると、加入した保険が無意味になってしまう可能性があります。告知義務違反に問われないよう、告知書には事実のみを漏れなく記載するようにしましょう!

城間稀方

プログラミング、教育業関連の経験から、ITや教育関連の記事のみならず、金融やマーケティングといった専門的な記事を執筆する。

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