妊娠・出産での保険加入は必要?妊娠・出産時でのかしこい保険選び方

最終更新日:2021/12/27

妊娠された方にとって、赤ちゃんと出会えることはとても待ち遠しいことです。しかし、赤ちゃんと出会える楽しみだけでなく、初めて経験することばかりで不安を抱いている人もいるでしょう。 なかでも妊娠・出産に対する代表的な不安要素として、お金に関することが挙げられます。この記事では、妊娠・出産に必要な費用をはじめ、公的な保証精度、妊娠保険や出産保険について詳しく解説します。

妊娠・出産にかかるお金はどれくらい?

妊娠後に必要となる主な費用は、通院費・入院費・出産費です。これらの費用は一定ではなく、妊婦や赤ちゃんの体調によってばらつきがあります。

また、妊娠・出産は病気ではないため、医療費に健康保険が適用されません。したがって、資金計画を立てる時には、事前に「いつ、どれくらいお金が必要になるのか」を把握しておく必要があります。

ここからは、通院・出産・入院の際に必要な費用を説明します。

通院費用について

妊娠したら、妊婦検診のために平均14回の通院をします。妊婦検診の費用は妊娠の段階によって変わることがほとんどです。

妊娠初期の段階では、1回の検診でおおよそ1万から2万円ほどかかります。初期の検診で赤ちゃんを確認できたら、住んでいる地域の区役所に行って母子手帳と補助券を受け取ります。補助券を受け取るまでの検診費用は、全額自己負担となります。補助券を利用すると、1回の検診費用を1,000円~5,000円に抑えることが可能です。

また、妊婦検診では赤ちゃんの健康状態を検査するだけでなく、妊婦の体調をチェックする検査もいくつかあります。主な検査の種類は以下です。

血液検査
体重測定
血圧検査
子宮頸がん検査 など

これらの検査にかかる費用は、検診費用に含まれていることがほとんどです。基本的には、別途追加で支払うことはありません。

入院費用について

出産の前後では、赤ちゃんとお母さんはしばらく入院しなければなりません。病院や施設によって価格はさまざまですが、部屋代や食事代を含めた入院料金は平均11万2,726円です。また、個室を希望すれば、別途室料の差額を支払わなければなりません。この差額の平均価格は1万6,580円です。

しかし、自然分娩ではなく異常分娩であった場合には、入院日数が長くなることも考えられます。正常分娩であれば平均6日間で退院できますが、異常分娩であれば8〜10日間、産後の経過によってはそれ以上の入院しなければならないこともあります。

また、妊娠期間中に切迫早産になってしまうと、2〜3か月の入院が必要になるケースもあります。入院日数が長くなれば、その分費用の負担も高くなります。

参照:公益社団法人国民健康保険中央会 「出産費用 平成28年度」

分娩費用について

分娩方法によって、出産費用や保険の適用範囲が変わります。
正常分娩と異常分娩について、それぞれ解説します。

正常分娩

正常分娩とは、母子共に健康であることを条件として、医療行為をせず自然に分娩することを指します。正常分娩で出産した場合の分娩費用は、平均254,180円です。また、正常分娩であった場合、医療行為が行われないため公的医療保険は適用されず、分娩費用は全額自己負担となります。

参照:公益社団法人国民健康保険中央会「出産費用の全国平均値、中央値」

異常分娩

厚生労働省が行った調査によると、全体の分娩件数のうち異常分娩による出産の割合は、年々増加していることが分かりました。誰もが異常分娩による出産の可能性があると考えられます。

以下は、異常分娩に対する診療報酬点数と費用を示した表です。
かかる費用は、診療報酬点数×10円と換算します。

診療報酬点数 費用
選択帝王切開 20,140点 20万1,400円
緊急帝王切開 22,200点 22万2,000円

参照:厚生労働省「令和2年診療報酬点数表」

基本的には帝王切開による手術費用はどこの病院でも同じですが、手術が複雑であると判断されると、診療報酬点数が追加されることがあります。そのため、予定していた金額以上に費用が高額になってしまう可能性があります。

とはいえ、この費用の全てが自己負担になる訳ではありません。正常分娩と異なり、異常分娩の場合は「医療行為」と見なされるため、公的医療保険が適用されます。よって、異常分娩による入院費・手術費の自己負担額は3割となり、負担が軽減されます。

ただし、異常分娩であっても、出産後の入院で個室にした場合の差額や、病院での食事代、新生児管理保育料(※)には保険が適用されません。ほかにも、保健が適用された場合でも、入院期間の長期化や麻酔・投薬によって、結果として正常分娩よりも10〜20万円ほど高くなってしまうこともあります。

(※)新生児管理保育料とは、出産後に新生児の検査や保育をするための費用です。

公的な保障を確認しよう

先述したとおり、出産には通院費・入院費・出産費などさまざまな場面で費用がかかります。
このような費用をすべて自己資金で賄うことは負担が大きいため、公的な保障制度が設けられています。ここでは、出産育児一時金と出産手当金について説明します。

出産育児一時金

通常、出産は病気ではないとされるため健康保険の適用対象外となりますが、出産すると健康保険から「出産育児一時金」という補助金を受け取ることができます。

この出産育児一時金は、妊娠4か月以上での出産かつ、自身が健康保険に加入している、または被扶養者であれば保障となります。支給額は、原則赤ちゃん1人につき42万円です。万が一死産・流産してしまった場合であっても、妊娠12週以上であれば支給されます。

出産育児一時金を受給するには、期日までに所定の機関に申請する必要があります。受取方法には、主に2つの方法があります。

出産費用を支払った後、区役所に申請をして給付金を受け取る
健康保険組合が直接医療機関に分娩費用を支払う

2の受取方法を「直接支払い方法」といいます。健康保険組合が医療機関に直接出産費用を支払うため、自身で支払う必要がありません。

しかし、医療機関が「直接支払い方法」を導入していない場合には、1の支払い方法になります。この場合は、出産育児一時金を受け取れるのは退院後となるため、退院時には出産費用を自身で立て替えておく必要があります。

出産手当金

出産手当金とは、出産のために会社を休んでも事業主から報酬が支払われない場合に支給される手当金です。出産を理由に長期間働くことができなくても、本人や家族が金銭の心配がなく暮らせるようサポートすることを目的に支給されます。

支給対象者は、勤務先で健康保険に加入している女性です。支給対象期間は、出産した日または出産予定日の42日前から、出産日の翌日から52日後の間に会社を休んだ日数となります。

出産育児一時金との大きな違いは、以下の2つが挙げられます。

・被扶養者や国民健康保険に加入している人は支給対象外
・妊婦本人の給与額によって支給額が決まるため、支給額は一律でない

このように、対象になる条件や給付金額は人によって異なります。自身の加入している健康保険組合や住んでいる地域の区役所、医療機関などに事前に確認しておきましょう。

出産育児一時金 出産手当金
対象者 ・健康保険、国民保険の被保険者、その被扶養者
・妊娠4か月(85日)以上での出産
・健康保険の被保険者
受給金額 ・赤ちゃん1人につき42万円(40.4万円) ・1日当たりの支給額=(支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均)÷30日×2/3

 出産日以前の42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の翌日以後56日のうち、会社を休んだ期間が対象
受給タイミング 出産後2~3か月に振込
もしくは健康保険組合によって医療機関に直接支払い
出産後2~3か月に振込
受給者申請の手続き 医療機関への申込書を提出 会社もしくは加入している健康保険申込書を提出

妊婦向けの医療保険とは?

妊婦の女性限定で加入できる医療保険があります。妊娠後に加入できるため、資金が不安な方は事前に確認しておきましょう。

ここからは、妊娠保険とはどのような人におすすめなのかを解説します。

健康へのリスクが高まる妊娠期間だけの短期保険

妊娠中や出産後しばらくは、心身ともに疲弊して体調を崩しやすい期間といえます。妊娠保険・出産保険は、主にこの妊娠期間と出産後の数年間に対して保障する保険です。保険商品によって異なりますが、保障内容は妊娠・出産に伴う入院や手術にかかる費用への保障が挙げられます。

・切迫早産による通院、入院
・出産時の手術
・産前、産後のうつによる通院
・女性特有の疾患(乳腺炎・子宮内膜症など)

また、がん保険をセットにして、さらに保障を手厚くできる保険もあります。

赤ちゃんへの保障があるものも

健康状態にトラブルが起こる可能性は妊婦だけでなく、生まれたばかりの赤ちゃんにもあります。赤ちゃんの健康に異常が起きた場合、通院・入院が必要になるケースがあります。

赤ちゃんに対する医療費は、自治体による「子ども医療費助成制度」によって保障を受けられますが、全てを賄えるわけではありません。通院にかかる交通費やレンタルベッド代などは、子ども医療費助成制度適用の対象外となります。

また、出産にかかる医療費だけでなく、これからの子育てでさまざまなお金が必要になります。赤ちゃんへの保障がある保険に加入しておくと、金銭面の不安を少しでも抑えられます。妊娠保険の保障内容について考えている方は、赤ちゃんのための保険も検討しましょう。

こんな人におすすめ

妊娠保険・出産保険はどのような人におすすめなのか解説します。

他の医療保険に加入していない人

現在医療保険に加入していない人は、妊娠を期に妊娠保険・出産保険の検討をおすすめします。これまで体に何のトラブルがなかった人も、妊娠中や出産してすぐは健康にさまざまな変化が現れる可能性もあります。この期間だけでも保障があれば、金銭面の不安も軽減できるでしょう。

妊娠・出産に不安を少しでも小さくしたい人

「もし切迫早産になって長期間入院してしまったら、多額のお金が必要になってしまうのでは?」「出産後、赤ちゃんの体に何かあれば、手術が必要になるかもしれない」

といったように、妊娠・出産には金銭面・健康面でさまざまな不安があります。上記のような不安を軽減したい方は、妊娠保険・出産保険の加入をおすすめします。

妊娠・出産のタイミングで保険を見直すべき?

妊娠・出産のタイミングは、妊娠保険や出産保険だけでなく他の保険も見直す良いタイミングです。
現在加入している保険が、自分自身や配偶者の方のみに対する保障になっている場合は、子どもに対する保障を追加することも検討しましょう。

妊婦向けの保険について

妊娠・育児中の期間の保障を手厚くする保険があります。心身の健康が不安定になりやすい間の保障を手厚くすることで、健康面・金銭面の不安を小さくすることが可能です。既に保険に加入している人も、再度保障内容について見直してみてはいかがでしょうか。

生命保険について

妊娠・出産を経て必ず確認したいことは、妻と夫の死亡保障です。子どもが社会へ出る前に、家族の大黒柱に万が一のことがあった場合、残された子どもが困らず生活ができるように、その後の生活費や教育費用などを用意しておく必要があります。

生命保険を見直す上で、押さえるポイントは以下です。

・保険金の受取人は適正かどうか
・保険期間は適正かどうか
・保険料は家計を圧迫していないかどうか

これらのポイントを意識して、家庭の状況や不安な部分にしっかり備えることをおすすめします。

学資保険について

子どもができれば、生活費だけでなく教育資金も十分に必要になるため、学資保険の加入を検討することをおすすめします。

学資保険とは、子どもの教育資金を積み立てて準備する貯蓄型の保険です。決まった額を毎月積み立てることで、進学や満期のタイミングで祝い金や満期金を受け取ることができます。

また、保険料を納付している途中で子どもや親に万が一のことがあった場合、保険料の免除を受けることができます。免除を受けた後も保障は続くため、金銭的な問題で子どもが進学を諦める必要はありません。保険によって満期時に受け取る利率や保障内容は異なるため、複数の保険を比較したうえで選ぶことが重要です。

まとめ

妊娠・出産のタイミングに保険を見直すことで、健康面や金銭面の不安を小さくできるだけでなく、ライフプランや今後のリスクについて家族と話し合う機会にもなります。

また、妊娠するまで保険に加入していなかった妊婦の方も、妊娠保険であれば加入できる可能性があります。妊娠保険・出産保険は妊婦だけでなく、家族の心の支えになるため、これから起こるかもしれないさまざまなリスクに備えて、加入を検討されてはいかがでしょうか。

山田佳奈

大手メガバンク系出身の経験から、金融系の記事を中心に幅広いジャンルの記事を執筆。

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